【翻訳】クレイグ・ウェスコーの白黒絞殺者
2015年11月8日 TCG全般某所に寄稿したものをこっちでも やっぱりmtgの記事と言えばここ
原文URL
http://magic.tcgplayer.com/db/article.asp?ID=12939&writer=Craig+Wescoe
先週末のGPインディアナポリスにて、先週記事に起こしたデッキ"White Rhino"を基にして《不毛の地の絞殺者》を中心に作った素晴らしい白黒ミッドレンジを使用し12勝3敗の成績で18位となった。白黒タッチ青としての方がマナベースに関しては良かったのだが(そもそもタッチ青には基本的に制約がない*1)緑のカード達を入れた方が強い事に気づいてしまった*2。
今回のデッキは本来ジェスカイを叩きのめす為に作成したのだが(実際GPではジェスカイ相手に3戦3勝した)そのついでながらアタルカレッドや赤緑上陸に対しても有効だったのだ。(それらのデッキに対しては4戦4勝である)GPでの3敗を元に調節した結果、私は"白黒絞殺者"が現在のスタンダードにおいて物凄く良い位置にあるデッキだと考える。
これがGPで使用したデッキリストだ。
実際にデッキの回し方を紹介しよう。まず1ターン目は《サバンナライオン》*3か《乱脈な気孔》を場に出したい。2ターン目は《精神背信》で相手の手札のカードか、相手がクリーチャーを場に出していたら《絹包み》で追放する。3ターン目には相手がクリーチャーを出していたら《不毛の地の絞殺者》で破壊し、もしクリーチャーを出していなかったのなら《白蘭の騎士》を出し追加の土地を手に入れ《精神背信》か《見えざるものの熟達》をプレイする。そして4ターン目と5ターン目に《徴税の大天使》と《風番いのロック》を戦場に送り出す。コントロール相手には《見えざるものの熟達》を起動し始める事が可能なので、それ以外は盤面にクリーチャーを送り込む必要はない。
このデッキで思った通りの動きが出来た時、スタンダードのデッキに対してモダンのデッキを使っているように感じられるだろう。
例えば、2ターン目にジェスカイの《ヴリンの神童、ジェイス》を《絹包み》で除去し3ターン目に《カマキリの乗り手》を《不毛の地の絞殺者》で殺してしまえば、それ以上怖いものは無い!またアタルカレッドに対して4ターン目にライフ15以上の状態で《徴税の大天使》を出せばスーパースターを手に入れたマリオのような気分を味わえる。白緑大変異やアブザンアグロに対しては《白蘭の騎士》を使い《風番いのロック》へと加速してしまえば最高の気分だろう。コントロールに対しては相手の《命運の核心》や《衰滅》を《精神背信》で取り除き、君の全てのクリーチャーで相手を轢き殺してしまえばフリーwifiの顧客情報をぶっこぬいた気分さ。
このデッキは対戦相手にとてつもないプレッシャーを与える事が可能で柔軟にプレイすることも十分出来て、ゲームが長引き消耗戦になった時も勝つことが出来るだろう。本当に全ての要素を持ち合わせている。少し残念に思うのは来月ミルウォーキーで開催されるTCGplayer championshipまでに私が参加出来る他のスタンダードの大型大会が無いことだ。本当にこのデッキをもっともっと回したい!
デッキは本当によく出来ていると感じたが、デッキをより良くする為の変更点が少しある。
変更点
メインデッキ
-2《マルドゥの悲哀狩り》
+2《停滞の罠》
サイドボード
-2《停滞の罠》
-1《軽蔑的な一撃》
-1《苦い心理》
-1《否認》
-1《見えざるものの熟達》
+3《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
+3《荒野の確保》
3,4枚目の《停滞の罠》は殆どすべてのゲームでサイドから入れ、それらはメインデッキに入れておくべきだと確信した。それが最も率直なカードの交換で、私のメインデッキの唯一の変更点だ。とにかく1ターン目に《乱脈な気孔》をプレイしたいのでそれにそぐわない6枚のカードはデッキから落とした。
エルドラージランプに対してのサイドボードは最善に劣るものだった。そのサイドボードプランは適当なクリーチャーで対戦相手を倒すまで《軽蔑的な一撃》と《精神背信》で相手の大型呪文の脅威をやり過ごし、何もさせない事だった。結論から言うとこのプランは良かったのだが不完全でもある。私はエルドラージランプに対して《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》の紋章を合わせた《荒野の確保》の有効性を過小評価していた。それこそが最もエルドラージランプに対して有効であり、エルドラージランプはそれに対する解決策がないのだ。
またエスパーコントロールとのマッチアップにおいてサイドボードに落としたいカードが約12枚あるのでサイドボードから入れる事の出来るカードがたくさん必要であり、これらのカードはエスパーコントロールにも強かった。《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》と《荒野の確保》はエスパーコントロールとのマッチアップへのサイドとして完璧な物であり加えてエルドラージランプにも素晴らしいものである。
話は変わる。
《苦い心理》はあまり使う機会がなく《見えざるものの熟達》は私にとっては良いサイドボードだった。それらのカードはゲーム終盤における役割が《荒野の確保》に似ていてるので4枚目の《見えざるものの熟達》と《苦い心理》が《荒野の確保》に置き換えるのは容易い事だった。同時に《払拭》はジェスカイやアタルカレッドに対して常に素晴らしいカードであった(そしてエスパーに対しても理論上は強いはずだ)《否認》はぎりぎりセーフだった。3枚目の《払拭》はあまり欲しくなく、逆にエルドラージランプの《精霊龍ウギン》をカウンターする為に《軽蔑的な一撃》は3枚欲しい。《勇敢な姿勢》はアブザンや赤緑上陸に対して有効だ。《究極の価格》はアタルカレッドや赤緑上陸、様々なデッキ(ジェスカイやアブザンも含む)のサイドボードで運用されている《黄金牙タシグル》に対して使える。
さて、こちらが今週末に使うならこのリストがお勧めだ。
それでは一般的なデッキに対してのプレイの仕方とサイドボードについてお話ししよう。
マッチアップ分析とサイドボード指南
vsダークジェスカイ
先手
+2《究極の価格》
+2《払拭》
-2《マルドゥの悲哀狩り》
-2《アクロスの英雄、キテオン》
後手
+3《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
+2《究極の価格》
+2《払拭》
-4《徴税の大天使》
-1《マルドゥの悲哀狩り》
-2《アクロスの英雄、キテオン》
後手の際に《徴税の大天使》と《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を入れ替える理由は、相手が4ターン目に《オジュタイの命令》を構えるであろうからだ。なので後手の場合、有利になるため4ターン目に《徴税の大天使》を《オジュタイの命令》を前に唱える事は出来ないのに反して《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》は安全に唱えることが出来る。これは返しのターンで相手に回答を迫ることを強制しつつ、それを行えば《風番いのロック》の解決を許す事になるのだ。《払拭》はたった1マナで《オジュタイの命令》や《時を超えた探索》を咎めることが出来る素晴らしいカードだ。《はじける破滅》や《魂火の大導師》の効果によって使いまわそうとするその他の呪文もカウンターすることが出来る。《究極の価格》は概ね有効だろう、なぜなら《黄金牙、タシグル》や《ヴリンの神童、ジェイス》を殺すことが可能でゲーム終盤で最大の脅威になる《竜使いののけ者》や《魂火の大導師》でさえも除去することが出来るからだ。ゲームは僅差での勝利になるだろうが、得意な相手であり毎回優位に立てるので総合的に見て有利なマッチアップだろう。
vsアタルカレッド
+2《究極の価格》
+2《払拭》
+3《荒野の確保》
+1《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
-4《精神背信》
-4《風番いのロック》
《精神背信》は時々《軍族童の突発》や《強大化》に当たるが、それはこのマッチアップでやりたいことではない。
私達はより多くの《徴税の大天使》を差し向けゴブリントークンを無効化し、相手のパンプ呪文での不意打ちを崩壊させるインスタント呪文(《払拭》や《究極の価格》、《停滞の罠》)を使うだろう。《風番いのロック》は間に合わず、タップアウトを強制させられるのでこの二つはアタルカレッドとのマッチアップでは望まない。なのでそれらをサイドに落とす。私は《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を1枚だけ《栄光の頌歌》*4としてメインボードに入れる事にした。たとえその為にタップアウトしなければならないとしても対戦相手にとって紋章を持っている時に私達のクリーチャーを踏みつぶす事は困難だろう。それは私達が必要としたり望むものではないのだが、他のサイドボード選択よりは良い。《勇敢な姿勢》はコンボプランを崩壊させる追加の手段としては悪くなく、たまに《僧院の速槍》を除去することが出来る。
vs赤緑上陸
+2《究極の価格》
+2《払拭》
+2《荒野の確保》
+2《勇敢な姿勢》
+1《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
-4《精神背信》
-4《風番いのロック》
-1《見えざるものの熟達》
このマッチアップはサイズの大きいクリーチャーの枚数を除いてアタルカレッドに似ているが、それらのカードは《勇敢な姿勢》で死ぬ。それらはあまり《徴税の大天使》の妨害を受けないが、どのみち有利なマッチアップである。コントロールデッキのようにプレイし、勝ち確定の場面でなければ何があっても《徴税の大天使》で攻撃してはいけない。これはアタルカレッドについてもなおさらである。例え天使で攻撃するのが良い案に思えても、大体そうではない。
vsエスパーコントロール
先手
+3《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
+3《荒野の確保》
+3《軽蔑的な一撃》
+2《払拭》
-4《徴税の大天使》
-4《絹包み》
-3《風番いのロック》
後手
+3《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
+3《荒野の確保》
+3《軽蔑的な一撃》
+2《払拭》
-4《徴税の大天使》
-4《停滞の罠》
-3《風番いのロック》
《不毛の地の絞殺者》はエスパーに対してかなりひどいカードであるが、《ヴリンの神童、ジェイス》を除去することが出来るし
3マナ3/2のクリーチャーでもあるので極めて最悪だというわけではない。無色でもあるために《精霊龍、ウギン》のマイナス能力を回避する事が出来る。私は後手ならば先攻2ターンジェイスを落とす為に《絹包み》を残すが、先手の時は《停滞の罠》を残しておく
もし《不毛の地の絞殺者》によってジェイスを墓地に置かなければならない場合《停滞の罠》はエンドステップに《オジュタイの命令》によって場に戻ってきたジェイスを追放することが出来る。(《停滞の罠》は対戦相手がアンタップフェイズに入る前、自分のターンのエンド時にインスタントタイミングで使うことが出来る)このマッチアップではメインボードから落としたいカードがたくさんあるのだが、幸いサイドから入れるカードはエスパーコントロールに対して強力である。
vsエスパートークン
+3《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
+3《荒野の確保》
+3《軽蔑的な一撃》
+2《払拭》
-4《停滞の罠》
-2《マルドゥの悲哀狩り》
-2《アクロスの英雄、キテオン》
-3《不毛の地の絞殺者》
このマッチアップはしたことがないのだが《軽蔑的な一撃》が彼等のもっとも重要なカードの解答になる事は知っている。《サバンナライオン》*1はトークン製造機の前には特に役立たずなものである、なのでこれらはサイドアウトする。サイドボードプランは"毒を以て毒を制す"であり、トークンとギデオンの紋章によって対戦相手のように本質的には同じゲームを行う。《搭載歩行機械》や《風番いのロック》の鳥トークンを追放する為に《絹包み》は欲しい。それ以外に追放したいクリーチャーは無い。《不毛の地の絞殺者》は有用なサイズを得るとともに《白蘭の騎士》を除去することが出来るので良いカードだ。それはこのマッチアップで私たちのやりたいことではないので、4枚のうち3枚は抜くことにした。
vs白緑大変異
先手
+3《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
+2《究極の価格》
-3《見えざるものの熟達》
-2《白蘭の騎士》
後手
+2《究極の価格》
+1《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
-3《見えざるものの熟達》
《見えざるものの熟達》はこのマッチアップにおいては特に素晴らしいカードではない。ゲーム終盤におけるアドバンテージの獲得量に大きな差がある。ギデオンは先手なら強いが後手では遅い。《風番いのロック》はこのマッチアップにおけるスターである、故に5ターン目に可能であれば強襲状態で唱えたい。(それか《白蘭の騎士》と共に後手の4ターン目にでも)《徴税の大天使》はテンポを取る助力になる重要なカードだ。《究極の価格》は《搭載歩行機械》を除くすべての脅威を取り除くことが可能だ。《軽蔑的な一撃》は《風番いのロック》や《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を止めることが出来るがあまり受けには回りたくない。それらのカードは《精神背信》によって《棲み家の防御者》が返しのターンで拾ってこれないようにするべきだ。
vsアブザンアグロ
先手
+2《勇敢な姿勢》
+2《究極の価格》
+3《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
-2《アクロスの英雄、キテオン》
-2《マルドゥの悲哀狩り》
-1《見えざるものの熟達》
-1《不毛の地の絞殺者》
-1《白蘭の騎士》
後手
+2《勇敢な姿勢》
+2《究極の価格》
-2《アクロスの英雄、キテオン》
-2《マルドゥの悲哀狩り》
《勇敢な姿勢》は素晴らしい、何故ならばアブザン3人衆《包囲サイ》《先頭に立つもの、アナフェンザ》《黄金牙、タシグル》に当たるからだ、(制御不能になった《始まりの木の管理人》も)加えて《風番いのロック》の片割れも除去出来る。《究極の価格》もそれには劣るが管理人やタシグル、風番いのロックを倒すことが出来るので抜いたカードよりは良いだろう。ギデオンは後手よりも先手で光るカードであり、後手ならば騎士(後手の時に強いので)と絞殺者、熟達を戻すだろう。
vs硬化した鱗
+2《勇敢な姿勢》
+2《究極の価格》
+2《払拭》
-3《精神背信》
-3《見えざるものの熟達》
このマッチアップは一度も確かめてないが理論的に《精神背信》は強くないだろう、何故ならこのマッチアップで当たるカードが不足しているからだ。熟達も私の望む物ではない。はっきり欲しいと分かる物は追放除去であり脅威とカウンターを打ち消すための《払拭》である。《頑固な否認》に関しては可能な時に、彼らの獰猛なクリーチャーを殺すときに対応で唱えられて《頑固な否認》への追加の1マナを払い呪文の解決を打ち消してこようとして恐らく大敗を喫するだろう。自爆しないように1マナ立っているのであれば、十分注意するように。
vsランプ
+3《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
+3《荒野の確保》
+3《軽蔑的な一撃》
-4《徴税の大天使》
-4《停滞の罠》
-1《風番いのロック》
100%の確信があるわけではないが《絹包み》は《停滞の罠》よりも優先すべきだと考えるがサイドボード後は明確にそれら8枚を残したいとは思えない。《搭載歩行機械》が基本的に狙い撃つカードであり他に数種類追放で対処したいカードがある。《絹包み》は《爪鳴らしの神秘家》か《ジャディの横枝》に当たり、それらに走るのならば更に《不毛の地の絞殺者》を当てることが出来る。《停滞の罠》はマナコストもかかるし《不毛の地の絞殺者》とのマナ域も被っているのだが《龍王アタルカ》や《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を取り除くことが可能だ。たいてい《停滞の罠》1枚だけでは《ウギンの聖域》を通した連続ウラモグには十分でない。なのでこの為にマナを構えておくのに最も価値のある相手は何であるかが問題であり、それは《龍王アタルカ》である。続いてアタルカは《軽蔑的な一撃》の的であり(加えて《精霊龍、ウギン》も)サイボードから3枚を取っている。故に《停滞の罠》より《絹包み》が欲しいと気持ちが傾いたが、どっちもどっちだろう。
最後に
GPでの3敗はエルドラージランプ、白緑大変異、そしてナヤドラゴンによるものだった。エルドラージランプに対しては私のドローがお粗末な物であり2ターン目に唱えた《精神背信》は空振りしたのだ(お粗末だよね?)このマッチアップでは《荒野の確保》+《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》の紋章コンボがいかに有効であると理解していなかったためにサイドボードは良いものでは無かった。ランプとのマッチアップに対してはかなり補強されたはずだ。白緑大変異に対しての黒星は本当に僅差だったのだが2ゲーム目3ゲーム目共にマナ問題が絡んでいた、相手が私よりも先に5マナに到達したのだ。*5とにかく、このマッチアップは本当に僅差である。
ナヤドラゴンに対しては《龍語りのサルカン》を唱え彼が+1能力で攻撃してくるまでは楽勝に思えた。私は早い段階で《停滞の罠》を変異解除した《住み処の防御者》に使ってしまっていて、《雷破の執政》用にサイドインした《勇敢な姿勢》を手札に腐らせたままサルカンに殴り倒されてしまった。再びこのマッチアップがあるとは思えないが再度当たるとすれば有利不利は半々だと思う。
その他の主なマッチでは3回ダークジェスカイに当たり3-0、赤緑上陸に1-0、アタルカレッドに3-0、アブザンアグロに1-0、そして4色ドラゴンに1-0だった。
今回のデッキの変更でエルドラージランプに対しては圧倒的に不利だったのだが優位に立てるようになった。2枚の《停滞の罠》をメインボードに移したことでクリーチャーデッキ(ジェスカイ、アブザン、白緑大変異等)に強くなった。今回の変更したリストで私はまだ一つも結果を残していない。UltraPROチームの友人David Williamsは昨日このデッキで7-1の成績を収めて優勝したしManu SutorはMTGO PTQにて5-2で9位、Justin Heiligはセントルイスの草の根の大会においてこのデッキで暴れまわっている。皆、デッキリストを手渡した直後に結果を残しているのだ。そして次は君がこのリストで大暴れする手番だ!
デッキは本当に強い!ぜひ試してもらいたい。デッキは白ウィニーのようなプレイをするが、黒をタッチする事によって思考囲い(精神背信)や樹上の村(乱脈な気孔)、火炎舌のカヴー(不毛の地の絞殺者)を使っている気分になれる。もし《カマキリの乗り手》を相手に首を絞められるかのように苦しんでいたのならば、次は君が絞殺する番だ!
*1 白黒のカラーには《大草原の川》と《窪み渓谷》があるため
*2《アブザンの魔除け》が《不毛の地の絞殺者》と相性が良く尚且つ包囲サイ等のカードも取れること
*3 1マナ2/1の白のクリーチャーのこと
*4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》の紋章の効果が《栄光の賛歌》と同じ効果を持つため
*5 先に5マナに到達する=《風番いのロック》を出すことが出来る
原文URL
http://magic.tcgplayer.com/db/article.asp?ID=12939&writer=Craig+Wescoe
先週末のGPインディアナポリスにて、先週記事に起こしたデッキ"White Rhino"を基にして《不毛の地の絞殺者》を中心に作った素晴らしい白黒ミッドレンジを使用し12勝3敗の成績で18位となった。白黒タッチ青としての方がマナベースに関しては良かったのだが(そもそもタッチ青には基本的に制約がない*1)緑のカード達を入れた方が強い事に気づいてしまった*2。
今回のデッキは本来ジェスカイを叩きのめす為に作成したのだが(実際GPではジェスカイ相手に3戦3勝した)そのついでながらアタルカレッドや赤緑上陸に対しても有効だったのだ。(それらのデッキに対しては4戦4勝である)GPでの3敗を元に調節した結果、私は"白黒絞殺者"が現在のスタンダードにおいて物凄く良い位置にあるデッキだと考える。
これがGPで使用したデッキリストだ。
白黒ミッドレンジ by Craig Wescoe
(Finished 17th - 32nd Place at 2015 Grand Prix Indianapolis - 10/31)
4:《島/Island》
4:《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
4:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4:《平地/Plains》
2:《汚染された三角州/Polluted Delta》
1:《大草原の川/Prairie Stream》
4:《乱脈な気孔/Shambling Vent》
1:《窪み渓谷/Sunken Hollow》
1:《沼/Swamp》
4:《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
-土地 25-
4:《徴税の大天使/Archangel of Tithes》
4:《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》
2:《アクロスの英雄、キテオン/Kytheon, Hero of Akros》
4:《マルドゥの悲哀狩り/Mardu Woe-Reaper》
4:《不毛の地の絞殺者/Wasteland Strangler》
4:《風番いのロック/Wingmate Roc》
-クリーチャー 22-
3:《見えざるものの熟達/Mastery of the Unseen》
4:《絹包み/Silkwrap》
2:《停滞の罠/Stasis Snare》
4:《精神背信/Transgress the Mind》
-その他呪文 13-4:《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
2:《払拭/Dispel》
1:《見えざるものの熟達/Mastery of the Unseen》
1:《否認/Negate》
1:《苦い真理/Painful Truths》
2:《停滞の罠/Stasis Snare》
2:《究極の価格/Ultimate Price》
2:《勇敢な姿勢/Valorous Stance》
-15 サイドボード-
実際にデッキの回し方を紹介しよう。まず1ターン目は《サバンナライオン》*3か《乱脈な気孔》を場に出したい。2ターン目は《精神背信》で相手の手札のカードか、相手がクリーチャーを場に出していたら《絹包み》で追放する。3ターン目には相手がクリーチャーを出していたら《不毛の地の絞殺者》で破壊し、もしクリーチャーを出していなかったのなら《白蘭の騎士》を出し追加の土地を手に入れ《精神背信》か《見えざるものの熟達》をプレイする。そして4ターン目と5ターン目に《徴税の大天使》と《風番いのロック》を戦場に送り出す。コントロール相手には《見えざるものの熟達》を起動し始める事が可能なので、それ以外は盤面にクリーチャーを送り込む必要はない。
このデッキで思った通りの動きが出来た時、スタンダードのデッキに対してモダンのデッキを使っているように感じられるだろう。
例えば、2ターン目にジェスカイの《ヴリンの神童、ジェイス》を《絹包み》で除去し3ターン目に《カマキリの乗り手》を《不毛の地の絞殺者》で殺してしまえば、それ以上怖いものは無い!またアタルカレッドに対して4ターン目にライフ15以上の状態で《徴税の大天使》を出せばスーパースターを手に入れたマリオのような気分を味わえる。白緑大変異やアブザンアグロに対しては《白蘭の騎士》を使い《風番いのロック》へと加速してしまえば最高の気分だろう。コントロールに対しては相手の《命運の核心》や《衰滅》を《精神背信》で取り除き、君の全てのクリーチャーで相手を轢き殺してしまえばフリーwifiの顧客情報をぶっこぬいた気分さ。
このデッキは対戦相手にとてつもないプレッシャーを与える事が可能で柔軟にプレイすることも十分出来て、ゲームが長引き消耗戦になった時も勝つことが出来るだろう。本当に全ての要素を持ち合わせている。少し残念に思うのは来月ミルウォーキーで開催されるTCGplayer championshipまでに私が参加出来る他のスタンダードの大型大会が無いことだ。本当にこのデッキをもっともっと回したい!
デッキは本当によく出来ていると感じたが、デッキをより良くする為の変更点が少しある。
変更点
メインデッキ
-2《マルドゥの悲哀狩り》
+2《停滞の罠》
サイドボード
-2《停滞の罠》
-1《軽蔑的な一撃》
-1《苦い心理》
-1《否認》
-1《見えざるものの熟達》
+3《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
+3《荒野の確保》
3,4枚目の《停滞の罠》は殆どすべてのゲームでサイドから入れ、それらはメインデッキに入れておくべきだと確信した。それが最も率直なカードの交換で、私のメインデッキの唯一の変更点だ。とにかく1ターン目に《乱脈な気孔》をプレイしたいのでそれにそぐわない6枚のカードはデッキから落とした。
エルドラージランプに対してのサイドボードは最善に劣るものだった。そのサイドボードプランは適当なクリーチャーで対戦相手を倒すまで《軽蔑的な一撃》と《精神背信》で相手の大型呪文の脅威をやり過ごし、何もさせない事だった。結論から言うとこのプランは良かったのだが不完全でもある。私はエルドラージランプに対して《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》の紋章を合わせた《荒野の確保》の有効性を過小評価していた。それこそが最もエルドラージランプに対して有効であり、エルドラージランプはそれに対する解決策がないのだ。
またエスパーコントロールとのマッチアップにおいてサイドボードに落としたいカードが約12枚あるのでサイドボードから入れる事の出来るカードがたくさん必要であり、これらのカードはエスパーコントロールにも強かった。《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》と《荒野の確保》はエスパーコントロールとのマッチアップへのサイドとして完璧な物であり加えてエルドラージランプにも素晴らしいものである。
話は変わる。
《苦い心理》はあまり使う機会がなく《見えざるものの熟達》は私にとっては良いサイドボードだった。それらのカードはゲーム終盤における役割が《荒野の確保》に似ていてるので4枚目の《見えざるものの熟達》と《苦い心理》が《荒野の確保》に置き換えるのは容易い事だった。同時に《払拭》はジェスカイやアタルカレッドに対して常に素晴らしいカードであった(そしてエスパーに対しても理論上は強いはずだ)《否認》はぎりぎりセーフだった。3枚目の《払拭》はあまり欲しくなく、逆にエルドラージランプの《精霊龍ウギン》をカウンターする為に《軽蔑的な一撃》は3枚欲しい。《勇敢な姿勢》はアブザンや赤緑上陸に対して有効だ。《究極の価格》はアタルカレッドや赤緑上陸、様々なデッキ(ジェスカイやアブザンも含む)のサイドボードで運用されている《黄金牙タシグル》に対して使える。
さて、こちらが今週末に使うならこのリストがお勧めだ。
白黒ミッドレンジ by Craig Wescoe
4:《島/Island》
4:《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
4:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4:《平地/Plains》
2:《汚染された三角州/Polluted Delta》
1:《大草原の川/Prairie Stream》
4:《乱脈な気孔/Shambling Vent》
1:《窪み渓谷/Sunken Hollow》
1:《沼/Swamp》
4:《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
-土地 25-
4:《徴税の大天使/Archangel of Tithes》
4:《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》
2:《アクロスの英雄、キテオン/Kytheon, Hero of Akros》
2:《マルドゥの悲哀狩り/Mardu Woe-Reaper》
4:《不毛の地の絞殺者/Wasteland Strangler》
4:《風番いのロック/Wingmate Roc》
-クリーチャー 20-
3:《見えざるものの熟達/Mastery of the Unseen》
4:《絹包み/Silkwrap》
4:《停滞の罠/Stasis Snare》
4:《精神背信/Transgress the Mind》
-その他呪文 15-3:《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
2:《払拭/Dispel》
3:《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》
3:《荒野の確保/Secure the Wastes》
2:《究極の価格/Ultimate Price》
2:《勇敢な姿勢/Valorous Stance》
-15 サイドボード-
それでは一般的なデッキに対してのプレイの仕方とサイドボードについてお話ししよう。
マッチアップ分析とサイドボード指南
vsダークジェスカイ
先手
+2《究極の価格》
+2《払拭》
-2《マルドゥの悲哀狩り》
-2《アクロスの英雄、キテオン》
後手
+3《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
+2《究極の価格》
+2《払拭》
-4《徴税の大天使》
-1《マルドゥの悲哀狩り》
-2《アクロスの英雄、キテオン》
後手の際に《徴税の大天使》と《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を入れ替える理由は、相手が4ターン目に《オジュタイの命令》を構えるであろうからだ。なので後手の場合、有利になるため4ターン目に《徴税の大天使》を《オジュタイの命令》を前に唱える事は出来ないのに反して《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》は安全に唱えることが出来る。これは返しのターンで相手に回答を迫ることを強制しつつ、それを行えば《風番いのロック》の解決を許す事になるのだ。《払拭》はたった1マナで《オジュタイの命令》や《時を超えた探索》を咎めることが出来る素晴らしいカードだ。《はじける破滅》や《魂火の大導師》の効果によって使いまわそうとするその他の呪文もカウンターすることが出来る。《究極の価格》は概ね有効だろう、なぜなら《黄金牙、タシグル》や《ヴリンの神童、ジェイス》を殺すことが可能でゲーム終盤で最大の脅威になる《竜使いののけ者》や《魂火の大導師》でさえも除去することが出来るからだ。ゲームは僅差での勝利になるだろうが、得意な相手であり毎回優位に立てるので総合的に見て有利なマッチアップだろう。
vsアタルカレッド
+2《究極の価格》
+2《払拭》
+3《荒野の確保》
+1《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
-4《精神背信》
-4《風番いのロック》
《精神背信》は時々《軍族童の突発》や《強大化》に当たるが、それはこのマッチアップでやりたいことではない。
私達はより多くの《徴税の大天使》を差し向けゴブリントークンを無効化し、相手のパンプ呪文での不意打ちを崩壊させるインスタント呪文(《払拭》や《究極の価格》、《停滞の罠》)を使うだろう。《風番いのロック》は間に合わず、タップアウトを強制させられるのでこの二つはアタルカレッドとのマッチアップでは望まない。なのでそれらをサイドに落とす。私は《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を1枚だけ《栄光の頌歌》*4としてメインボードに入れる事にした。たとえその為にタップアウトしなければならないとしても対戦相手にとって紋章を持っている時に私達のクリーチャーを踏みつぶす事は困難だろう。それは私達が必要としたり望むものではないのだが、他のサイドボード選択よりは良い。《勇敢な姿勢》はコンボプランを崩壊させる追加の手段としては悪くなく、たまに《僧院の速槍》を除去することが出来る。
vs赤緑上陸
+2《究極の価格》
+2《払拭》
+2《荒野の確保》
+2《勇敢な姿勢》
+1《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
-4《精神背信》
-4《風番いのロック》
-1《見えざるものの熟達》
このマッチアップはサイズの大きいクリーチャーの枚数を除いてアタルカレッドに似ているが、それらのカードは《勇敢な姿勢》で死ぬ。それらはあまり《徴税の大天使》の妨害を受けないが、どのみち有利なマッチアップである。コントロールデッキのようにプレイし、勝ち確定の場面でなければ何があっても《徴税の大天使》で攻撃してはいけない。これはアタルカレッドについてもなおさらである。例え天使で攻撃するのが良い案に思えても、大体そうではない。
vsエスパーコントロール
先手
+3《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
+3《荒野の確保》
+3《軽蔑的な一撃》
+2《払拭》
-4《徴税の大天使》
-4《絹包み》
-3《風番いのロック》
後手
+3《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
+3《荒野の確保》
+3《軽蔑的な一撃》
+2《払拭》
-4《徴税の大天使》
-4《停滞の罠》
-3《風番いのロック》
《不毛の地の絞殺者》はエスパーに対してかなりひどいカードであるが、《ヴリンの神童、ジェイス》を除去することが出来るし
3マナ3/2のクリーチャーでもあるので極めて最悪だというわけではない。無色でもあるために《精霊龍、ウギン》のマイナス能力を回避する事が出来る。私は後手ならば先攻2ターンジェイスを落とす為に《絹包み》を残すが、先手の時は《停滞の罠》を残しておく
もし《不毛の地の絞殺者》によってジェイスを墓地に置かなければならない場合《停滞の罠》はエンドステップに《オジュタイの命令》によって場に戻ってきたジェイスを追放することが出来る。(《停滞の罠》は対戦相手がアンタップフェイズに入る前、自分のターンのエンド時にインスタントタイミングで使うことが出来る)このマッチアップではメインボードから落としたいカードがたくさんあるのだが、幸いサイドから入れるカードはエスパーコントロールに対して強力である。
vsエスパートークン
+3《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
+3《荒野の確保》
+3《軽蔑的な一撃》
+2《払拭》
-4《停滞の罠》
-2《マルドゥの悲哀狩り》
-2《アクロスの英雄、キテオン》
-3《不毛の地の絞殺者》
このマッチアップはしたことがないのだが《軽蔑的な一撃》が彼等のもっとも重要なカードの解答になる事は知っている。《サバンナライオン》*1はトークン製造機の前には特に役立たずなものである、なのでこれらはサイドアウトする。サイドボードプランは"毒を以て毒を制す"であり、トークンとギデオンの紋章によって対戦相手のように本質的には同じゲームを行う。《搭載歩行機械》や《風番いのロック》の鳥トークンを追放する為に《絹包み》は欲しい。それ以外に追放したいクリーチャーは無い。《不毛の地の絞殺者》は有用なサイズを得るとともに《白蘭の騎士》を除去することが出来るので良いカードだ。それはこのマッチアップで私たちのやりたいことではないので、4枚のうち3枚は抜くことにした。
vs白緑大変異
先手
+3《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
+2《究極の価格》
-3《見えざるものの熟達》
-2《白蘭の騎士》
後手
+2《究極の価格》
+1《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
-3《見えざるものの熟達》
《見えざるものの熟達》はこのマッチアップにおいては特に素晴らしいカードではない。ゲーム終盤におけるアドバンテージの獲得量に大きな差がある。ギデオンは先手なら強いが後手では遅い。《風番いのロック》はこのマッチアップにおけるスターである、故に5ターン目に可能であれば強襲状態で唱えたい。(それか《白蘭の騎士》と共に後手の4ターン目にでも)《徴税の大天使》はテンポを取る助力になる重要なカードだ。《究極の価格》は《搭載歩行機械》を除くすべての脅威を取り除くことが可能だ。《軽蔑的な一撃》は《風番いのロック》や《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を止めることが出来るがあまり受けには回りたくない。それらのカードは《精神背信》によって《棲み家の防御者》が返しのターンで拾ってこれないようにするべきだ。
vsアブザンアグロ
先手
+2《勇敢な姿勢》
+2《究極の価格》
+3《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
-2《アクロスの英雄、キテオン》
-2《マルドゥの悲哀狩り》
-1《見えざるものの熟達》
-1《不毛の地の絞殺者》
-1《白蘭の騎士》
後手
+2《勇敢な姿勢》
+2《究極の価格》
-2《アクロスの英雄、キテオン》
-2《マルドゥの悲哀狩り》
《勇敢な姿勢》は素晴らしい、何故ならばアブザン3人衆《包囲サイ》《先頭に立つもの、アナフェンザ》《黄金牙、タシグル》に当たるからだ、(制御不能になった《始まりの木の管理人》も)加えて《風番いのロック》の片割れも除去出来る。《究極の価格》もそれには劣るが管理人やタシグル、風番いのロックを倒すことが出来るので抜いたカードよりは良いだろう。ギデオンは後手よりも先手で光るカードであり、後手ならば騎士(後手の時に強いので)と絞殺者、熟達を戻すだろう。
vs硬化した鱗
+2《勇敢な姿勢》
+2《究極の価格》
+2《払拭》
-3《精神背信》
-3《見えざるものの熟達》
このマッチアップは一度も確かめてないが理論的に《精神背信》は強くないだろう、何故ならこのマッチアップで当たるカードが不足しているからだ。熟達も私の望む物ではない。はっきり欲しいと分かる物は追放除去であり脅威とカウンターを打ち消すための《払拭》である。《頑固な否認》に関しては可能な時に、彼らの獰猛なクリーチャーを殺すときに対応で唱えられて《頑固な否認》への追加の1マナを払い呪文の解決を打ち消してこようとして恐らく大敗を喫するだろう。自爆しないように1マナ立っているのであれば、十分注意するように。
vsランプ
+3《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
+3《荒野の確保》
+3《軽蔑的な一撃》
-4《徴税の大天使》
-4《停滞の罠》
-1《風番いのロック》
100%の確信があるわけではないが《絹包み》は《停滞の罠》よりも優先すべきだと考えるがサイドボード後は明確にそれら8枚を残したいとは思えない。《搭載歩行機械》が基本的に狙い撃つカードであり他に数種類追放で対処したいカードがある。《絹包み》は《爪鳴らしの神秘家》か《ジャディの横枝》に当たり、それらに走るのならば更に《不毛の地の絞殺者》を当てることが出来る。《停滞の罠》はマナコストもかかるし《不毛の地の絞殺者》とのマナ域も被っているのだが《龍王アタルカ》や《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を取り除くことが可能だ。たいてい《停滞の罠》1枚だけでは《ウギンの聖域》を通した連続ウラモグには十分でない。なのでこの為にマナを構えておくのに最も価値のある相手は何であるかが問題であり、それは《龍王アタルカ》である。続いてアタルカは《軽蔑的な一撃》の的であり(加えて《精霊龍、ウギン》も)サイボードから3枚を取っている。故に《停滞の罠》より《絹包み》が欲しいと気持ちが傾いたが、どっちもどっちだろう。
最後に
GPでの3敗はエルドラージランプ、白緑大変異、そしてナヤドラゴンによるものだった。エルドラージランプに対しては私のドローがお粗末な物であり2ターン目に唱えた《精神背信》は空振りしたのだ(お粗末だよね?)このマッチアップでは《荒野の確保》+《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》の紋章コンボがいかに有効であると理解していなかったためにサイドボードは良いものでは無かった。ランプとのマッチアップに対してはかなり補強されたはずだ。白緑大変異に対しての黒星は本当に僅差だったのだが2ゲーム目3ゲーム目共にマナ問題が絡んでいた、相手が私よりも先に5マナに到達したのだ。*5とにかく、このマッチアップは本当に僅差である。
ナヤドラゴンに対しては《龍語りのサルカン》を唱え彼が+1能力で攻撃してくるまでは楽勝に思えた。私は早い段階で《停滞の罠》を変異解除した《住み処の防御者》に使ってしまっていて、《雷破の執政》用にサイドインした《勇敢な姿勢》を手札に腐らせたままサルカンに殴り倒されてしまった。再びこのマッチアップがあるとは思えないが再度当たるとすれば有利不利は半々だと思う。
その他の主なマッチでは3回ダークジェスカイに当たり3-0、赤緑上陸に1-0、アタルカレッドに3-0、アブザンアグロに1-0、そして4色ドラゴンに1-0だった。
今回のデッキの変更でエルドラージランプに対しては圧倒的に不利だったのだが優位に立てるようになった。2枚の《停滞の罠》をメインボードに移したことでクリーチャーデッキ(ジェスカイ、アブザン、白緑大変異等)に強くなった。今回の変更したリストで私はまだ一つも結果を残していない。UltraPROチームの友人David Williamsは昨日このデッキで7-1の成績を収めて優勝したしManu SutorはMTGO PTQにて5-2で9位、Justin Heiligはセントルイスの草の根の大会においてこのデッキで暴れまわっている。皆、デッキリストを手渡した直後に結果を残しているのだ。そして次は君がこのリストで大暴れする手番だ!
デッキは本当に強い!ぜひ試してもらいたい。デッキは白ウィニーのようなプレイをするが、黒をタッチする事によって思考囲い(精神背信)や樹上の村(乱脈な気孔)、火炎舌のカヴー(不毛の地の絞殺者)を使っている気分になれる。もし《カマキリの乗り手》を相手に首を絞められるかのように苦しんでいたのならば、次は君が絞殺する番だ!
*1 白黒のカラーには《大草原の川》と《窪み渓谷》があるため
*2《アブザンの魔除け》が《不毛の地の絞殺者》と相性が良く尚且つ包囲サイ等のカードも取れること
*3 1マナ2/1の白のクリーチャーのこと
*4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》の紋章の効果が《栄光の賛歌》と同じ効果を持つため
*5 先に5マナに到達する=《風番いのロック》を出すことが出来る
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